孤独な人生を送っていると思う人に:『おみおくりの作法』で死を想おう。
こんにちは、ろすりです。
今日も確定申告の下調べのため、図書館にいってきたのですが、
人混みにちょっと警戒中です……
というのも、インフルエンザの患者数が過去最大だとか?
医療費を払いたくない(正しくは、払えない)借金持ちなので、
かからないように本当に気を遣ってます。
さて……
「今回は精神疾患で休職中だからこそ」シリーズとして、
不安障害&抑うつ持ちの私にガツンと来た映画をご紹介します。
今回は、「孤独な人生が辛い人」にぜひ見てもらいたい映画。
タイトルは……『おみおくりの作法』。
イギリスの映画です。
こちらの映画の題材は、ズバリ「孤独死」。
日本でも、『おくりびと』が話題になりましたが、
『おくりびと』が納棺師の話だったのに対して、
『おみおくりの作法』は、ただの公務員のお話です。
主人公ジョン・メイは、民生係に努める公務員。
担当は……孤独死した人です。
『おみおくりの作法』のあらすじ
しがない中年男、ジョン・メイの仕事は、
孤独死した人を送ることでした。
故人に身内や知人がいないか探しあて、
お葬式を手配し、墓穴を用意する担当です。
故人の趣味、人生、宗教。
ジョン・メイはそれらを加味し、
故人を偲ぶメッセージを作り、故人の好きな花を捧げて、
葬式にも、参列します。
故人の知り合いが見つからなければ、時には一人だけで。
ジョン・メイは丁寧に、故人を送ります。
彼のおみおくりは職務のレベルを超えて、
心を尽くして故人を偲び、送るのです。
しかし、彼もまた、天涯孤独の人間でした。
あるとき、ジョン・メイは向かいのアパートに住んでいた孤独死した老人ビリー・ストークのお葬式を上げるため、
彼の家族や知人、そして人生の足跡をたどる小さな旅に出ます。
ジョン・メイのひたむきな心は、
バラバラになっていたビリー・ストークの人生のピースを集め、
やがて奇跡を起こすのですが…。
『おみおくりの作法』はどういう人に見て欲しいのか?
少し誤解を招くかもしれませんが……
常に死の気配を感じている人にこそ、
私は『おみおくりの作法』を見て欲しいのです。
私は、生きていて、常に死を意識します。
このまま生きていてもしょうがないよな…
未来がないぐらいなら死んだほうがマシかな…
大体、週に二、三度は思います。
川に飛び込もうとか、線路に落ちようとか、
考えて実行しかけたのは一度や二度じゃありません。
線路から引っ張られるような気がするんです。
「おみおくりの作法」は、
そんな死を意識している人間に、
孤独死の現実をつきつけます。
だれもこない葬式。
誰にも見とられず、死んでいった人々。
家に残されたペット。
使いかけのシェービングクリーム。
飼い猫を娘のように可愛がっていたことが窺い知れる日記。
映画のなかに表されたその光景は、
私の将来の姿になるかもしれません。
そして、故人が残した人生の痕跡、
そこに示された物悲しさを読み取った時、
自然と流れた涙は、溢れてとまらなくなります。
ジョン・メイは、折に触れて保管しておいた故人の写真や遺品を眺めます。
真剣に、ずっと、優しく、眺めます。
そんなジョン・メイの心を込めた優しさに触れたとき、
私は、寂しさが浄化されていくような気持ちになります。
私が、いつか独りで死んだとき、
ジョン・メイみたいな人に見送られたいと、
ほんとうに、ほんとうに願ってやみません。
(次項はネタバレになります!見ても平気だよ!って人だけ閲覧ください!)
『おみおくりの作法』のラスト(ネタバレ注意!)
↓
↓
↓
スクロールお願いします
↓
↓
↓
努力が実った、ビリー・ストークの家族や知人に出会うことが出来たジョン・メイ。
しかし、お葬式を前に、ジョン・メイは交通事故で死んでしまいます。
ビリー・ストークのお葬式には、ジョン・メイの努力によって多くの人が参列します。
しかし、ジョン・メイのお葬式には、誰も来ませんでした。
……無茶苦茶悲しいですよね。
嘘だろ…と私は呟いてました。
しかし!!
やがてどこからともなく、ジョン・メイのお墓には、多くの人たちが訪れます。
それは、ジョン・メイが、心を込めて見送った、孤独死した人々の魂でした。
……
………
号泣ですよ。
死者を弔うなんて意味がないと笑った同僚に、
生前のジョン・メイは「私はそうは思いません」と言い切りました。
例え、生きている人には無意味に思えた行動でも、
ジョン・メイがやったことは、決して無駄じゃなかったんです。
ジョン・メイのお見送りは、 孤独死した人に、ちゃんと届いていたんです。
まとめ:『おみおくりの作法』を見て思うこと
ざっくりと紹介しましたが、
『おみおくりの作法』は本当に、多くの人に見てほしい映画です。
私は休職している間、一人きりで家にいると、
私はずっとこのまま、一人ぼっちなんじゃないかと思います。
いつか友達もいなくなって、
家族にも見捨てられて、
小さなアパートで、誰にも見つからず、ひっそり死んでいくんだろうなって……
考えてたら涙でそうです……
でも、
ジョン・メイみたいな優しい人が送ってくれるかもしれないなって、
そう思うと、少し気楽になります。
そして同時に、私も、誰かに対して優しく生きて、
孤独な人生じゃなくなるように頑張りたいと思うのです。
孤独に生きる寂しさ、
死者を思いやることの優しさ、
そして、他者を大事にして、生きていくことの意味。
それを、「おみおくりの作法』は伝えてくれるのです。
なんだか小学生のような感想になってしまいましたがw
皆さんも、ぜひ『おみおくりの作法』を観てみてください。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
それでは、また。